kdotk couture by Pecora Ginza
Hand Embroidery and Couture Garments for Ladies
幸せレモンとアゲハ蝶。
10/15/2024
幸せレモンとアゲハ蝶。
今朝のベランダ模様。
心地よい秋の空気。
眩しい太陽。
ふと左を見たら、
網戸に青虫。
蝶になるべく、
蛹をこさえる場所に選んだのは
ベランダの網戸、
それは床から70cmほど。
・・・
数年前に箱いっぱいのレモンを買った。
無農薬で育った、
箱いっぱいのレモン。
箱を転がる無数のレモンは、
愛情を込めて育てられたことが
心地よく伝わる佇まい。
そのレモンを食べては、
種を土に植えた。
食べては植えて、
食べては植えた。
植えるために買ったわけではないのだけれど
なんで植えようと思ったのか忘れたけれど
箱いっぱいのレモンを
食べては植えた。
冬を経て、
春が来た頃、
箱いっぱいのレモンは
プランターいっぱいの新芽に生まれ変わった。
そのレモンの新芽を見た時に、
とっても幸せな気持ちになったので、
「幸せレモン」
と名づけることにした。
幸せレモンの新芽は、
大きくなるものもあれば、
枯れてしまうものもあった。
それぞれのペースで育ち、
それぞれのペースで枯れた。
そんなこんなで、
しっかり育ったレモンの木は12ほど。
多すぎたから、
友人と家族にお裾分けして、
今はベランダに7ほどの
幸せレモンの木。
・・・
いつの頃からか。
幸せレモンの木には、
アゲハ蝶が来るようになった。
春頃、秋頃、
ひらひら、はたはた、
アゲハ蝶がやってくる。
レモンの葉の香りを確かめるように、
アゲハ蝶はひらひら舞いながら、
決めたレモンの葉に小さな粒を残していく。
そのうち小さな粒はかえって、
どうやったらあんな小さい姿でレモンの葉を喰らうのか
いまだに不思議でならないけれど、
気づけば立派な青虫になっていて、
自らが旅立つ日を決めたらば、
幸せレモンの木をあとにして、
蛹になる場所をせっせと探し回る。
青虫は、
ベランダのあっちをのこのこ歩いていたり、
ベランダのこっちをせかせか歩いていたり。
蝶になる場所を、
どこにするのだろうと思いながら、
無事を祈って、見守るのみ。
・・・
どうやら青虫は決めたようだ。
ベランダの網戸。
床から70cmほど。
ここで蛹をこさえて蝶になる。
幸せレモンとアゲハ蝶。
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